緞帳のメンテナンス

ホールや施設の緞帳は、10~30年経過すると、劣化し痛んだりする場合があります。
それは、主に湿気や、温度差によっておこる結露により生地・付属品の劣化や紫外線埃による変色劣化が原因と考えられます。
特に、チチ紐(緞帳上部でパイプに結び付けている綿テープ)や、パイプ袋は劣化を放置していると緞帳が落下する危険性があります。
緞帳を設置して10年以上経過している場合は、一度検査、点検をお勧めします。

日頃のメンテナンス

緞帳を格納したまま長期間放置することは、生地・付属品の劣化を促進するのでお勧めしません。
定期的(1カ月に数回)開け閉めし、埃が溜まらないように動かすことをお勧めします。
また、空調を切って締め切ったままにしますと、ホール内で湿気をあまり感じなくても、ホールの上部では湿気が溜まっている場合があります。カビを発生させる原因となりますので日常的な換気をお勧めします。

緞帳のクリーニング

長年吊った状態の緞帳は大変汚れています。緞帳を昇降・開閉するたびに、舞台、客席にほこりが舞い上がり衛生面がよくないばかりか、緞帳に付着した綿ほこり等がライトの過熱などによる火災を引き起こす引き金の危険性もあります。
このようなことから、緞帳のクリーニングは見た目だけでなく、衛生面、安全面からも定期的に行う必要があります。
また、設置後10年以上経過した緞帳はクリーニングの際吊り紐、パイプ袋、裏生地が劣化している可能性が高いので、事前に安全チェックを実施し、落下防止対策も含め吊り紐等を取り替える再仕立てすることが重要です。

<緞帳の汚れの種類・対策>

  1. 長年吊った状態では、綿埃りが主流です。バキューム・クリーニングでかなりの汚れを取り除くことができます。
  2. タバコの煙・油汚れ
    旅館、ホテルの宴会場の緞帳はタバコの煙によるヤニ汚れ、食物から出る油汚れが混じって付着している場合がありパウダークリーニング、シャンプークリーニング、スチームクリーニング等の方法が必要です。
  3. 舞台装置などの機械油の汚れ
  4. その他の汚れ
    緞帳の両サイド部分は、人の出入りで汚れる可能性が高い。専門業者に依頼し対応することをお勧めします。

<諸幕類の汚れ・対策>

諸幕類も緞帳と同様長年吊った状態ではかなり汚れています。汚れは緞帳と同類ですが防炎剤照明ライトの熱の影響でかなり劣化が進行している場合が多い。
軽く引っ張っただけで生地が裂けるケースがあり、クリーニングが不可能な場合があります。
安全面・衛生面からも新しい幕に交換することをお勧めします。
耐用年数:吊り紐パイプ袋、裏生地、諸幕、ホリゾント幕:10~15年で劣化の兆候が顕著です

<チチ紐・パイプ袋・裏生地の交換>

症状として、チチ紐の劣化(部分的に切れていたり外れたりの状態)、パイプ袋の劣化、裏生地の破れなど。
対策として、緞帳を外し、当社工場に持ち帰って、チチ紐と、裏生地の交換を行います。
必要に応じて、幕のクリーニング、防炎処理を施します。
幕生地により対応できない場合がありますので、弊社営業までお問い合わせ下さい。

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